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騎士の国アシュヴァルツその5

アシュヴァルツの王宮の一室に、国の重役達が緊急で招集されていた。

また、重苦しい空気の中で誰もが口を噤んでいた。

そんな重役達の中でも一際若く、しかし堂々とした風格の者が一人、先陣を切るように口を開いた。

 

「本日、皆に集まってもらったのは他でもない。国境付近で観測された例の異変についてだ。」

「我々は早急に対策を講じなければならない。」

騎士団長:アイン=ナイトウェルは、現在の状況を打開すべく言い放った。

「しかし・・・今回の異変についてまだ未確定な点が多くとてもこのままでは動くことができません。」

「兵達は、皆あの国境付近の異変を恐れ士気も低下しております。」

 

不安そうに頭を抱える重役達に対してアインは返答する。

「その通りだ。それ故我々は異変を分析し対策を講じなければならない。」

「魔導の研究者も交えて国境付近を入念に調査させた。」

「調査結果を皆に見せてやってくれ」

アインに呼ばれた研究者のような風貌をした者が壇上に呼ばれ異変の調査結果を皆に伝えるべく語り出した。

「はっ・・・今回の国境付近の異変につきまして、異変の元凶たる例の花々は確実に生息範囲を広めております・・・・」

「また、生息域の拡大に応じるようにその地域の者達が軒並み乱心しているようです。」

調査結果を聞き、各員に動揺の波が広がったようだった。

「乱心とは・・・?」

「何らかの呪いが流行っているのか・・・?」

「このままでは国は・・・」

アインは流れを断ち切るべく口を開いた。

「みんな!聞いてくれ。」

「俺たちは国の皆を守るための騎士だ。」

「どんな異変が生じようとも最後まで戦わなければならない。」

「どんな物事にも解決の糸口は必ずある。」

皆がその言葉にうなづき大きく声をあげた。

騎士団長!

「我々は負けません!必ず国民を守り抜いて見せます!」

アインも続けてうなづく。

「そうだ!我々は必ず皆をこの手で守らねばならぬのだ!」

「俺は、この元凶の元をおそらく知っている・・・。あいつがこの国を・・・!」

「・・・!?何か心あたりがあるのですか??!」

アインは答えた。

「ああ。視察に赴いた時にこの目で見たのだ。」

「あの花々の中にいた、異質な存在を。」

「花々を操り、人々を陥れる存在を俺は知っている。底知れぬ魔の存在を。」

「それでは・・・・!?」

「ああ、俺は必ずこの手でヤツを仕留める。」

「おお・・・!!!」

「騎士団長!!」

アインは続けて答えた。

「元凶は把握している!我々がなすべくことは唯一つだ。」

「あの花々を焼き払い、そしてその元凶たる魔を滅ぼす。」

皆が強くその答えに応じた。

「はい!」

「必ず我々であの花々から皆を守ります!」

アインは続けて指示をおこなった。

「よし、それでは我々は行動しなければならない。」

「まずは、女子供を城内に避難させよ。」

「動ける者達は、騎士団を中心として例の花々に対して焼き討ちを行え。」

「乱心を起こした者たちはは如何いたしましょう・・・・・?!」

側近の者が不安そうに訪ねた。

「・・・・」

アインは、一瞬ためらうようなそぶりを見せた後、しかし落ち着き払って言い放った。

「我々は・・・我々は、この異変をどんな手段を使っても乗り越えなければならない。」

「もし、話が通じるのであれば武装解除後に早やかに審問所に出頭させよ」

「そうでないなら、排除せよ。」

「・・・・・以上だ。」

「花々を掃討後に必ず俺はあの魔を仕留める。」

「だからみんな・・・力を貸してくれ。」

「はっ!!!!!!」

皆が大きくうなづき騎士団長の言葉に応じた。

(・・・みんな・・・すまない・・・・・!)