BloomsOfDarknessFall

ルーヤの目覚めと使徒としての導き

ウラファジール城の元王宮の一室に

ルーヤ ウラファジールは監禁され身体をツタ状の植物に絡め取られ身動きが取れない状態にさせられていた。

「・・・・・・・・・・」

ルーヤは微睡む目を気だるげに開いた。

自分は囚われて何をすることもできなかった。

しかして、もとより囚われようとも普段の生活をしていようとも変わらず、流れに身を任せていくだけの自分があり今も大して変わらないことにルーヤは気がついた。

微睡みと戦いつつもルーヤはぼんやりと虚構を見つめていた。

(魔道書が読みたいな・・・・)

ぼんやりとそう考えていた時、不意に目の前が眩しくなった。

また、花の甘い香があたりに漂うのが感じられた。

よく見ると少女のような人影がこちらに向かってくるようだった。

「・・・・・・は・・・?」

ルーヤは訝しげにその人影を見つめた。

「・・・・・・私はリリファ。」

その人影は答えた。

「・・・・・・あんたは、使徒なのか・・・?」

ルーヤはその人影に問いを投げかけた。

「・・・・・・・私は使徒であるらしい。地表の人間を救済するための・・・。」

「バカな。あんたはこの国の面倒ごとそのものだ。」

「僕の目の前から一刻も早くきえて欲しい。」

ルーヤはリリファに対し言い放った。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

リリファは何も答えず、そして手に大きな鋭い枝のようなものを持ち構えルーヤの胸元に突き刺した!

「・・・・うっぐあ・・!!!!!!」

ルーヤは胸元に激痛を感じ悶絶した。

しばらく時が流れ、ルーヤは胸元の痛みが引いていくのを感じ自分の胸元を見つめた。

出血は無く、何かが自分の胸の中で蠢いている感覚を感じた。

「・・・・何があったんだ?」

「胸が苦しい・・・・・!」

「それは、あなたに生きる使命を与えるもの。」

そばにはリリファがおり、ルーヤを見つめながら語りかけた。

「僕の使命・・だと?」

「そう。あなたの欲望を増大させ使命に導いていくの。」

リリファはそう言うと、ルーヤの胸元をそっと撫でた。

「・・・・・・・!!っ!!!!ぁ!!!」

ルーヤは、甘く突き刺すような感覚に襲われまた悶絶した。

「神花があなたの心を導く・・・・。」

リリファが最後にそう言ったのをルーヤは聞くとその激痛により意識が遠のいて行くのを感じた。

長い時間が流れた。

「・・・・・・・生きてる・・。」

ルーヤはまた、目を覚ましあたりを見回した。

気がつくと自分の手足に絡みついていたツタは消え去り拘束は解かれていたようだった。

「私と共に人間を導く為に協力して。」

リリファの声が部屋の入り口から聞こえた。

「僕に指図すんな。」

「おもしろそうだからついて行ってやる。僕のそばから離れるのは許さないからな。」

ルーヤはそう言うとリリファの元へと駆け寄って行った。

使徒としての導き

リリファ達は神からの使徒としてアイン、そしてルーヤを加えて神花によって占領した国々を巡っていた。

 

占領国に人々は神花の魔力によって、争う心を無くしまた神を崇める賛美歌を口ずさんでいた。

 

リリファは、人々にこう伝えて回った。

 

神花に導かれし人の子達よ。

近いうちに浄化の水流が大地を洗い流すだろう。

これは神々の決定であり宣言である。

家を捨て、おまえの命を救え。

私の導きに従い神の庭園へと退避せよ。

救済はそこにある。

 

リリファはそう伝え、神の庭園の場所を指し示した。

「ここから西へ、リデステアの南の外れにそれはある。」

(私が生まれたこの地表でもっとも天界に近い場所・・・。)

 

そしてウラファジールを通り、リデステアに差し掛かった。

 

リデステアもすで陥落していたので、あちこちに神花が咲き乱れていた。

また人々も崇めるように伝令をきき、そして従い庭園へと目指していった。

そんな中でリリファ達に駆け寄ってくる青年が一人。

「やはり貴女だったのですね!また逢えるなんて。」

「あなたは・・・・。ジグル。」

駆け寄ってきた青年は、リリファ達が地上で初めて出会った行商人の青年だった。

ジグルは跪きそしてリリファに願い申出た。

「どうか、貴女のお供をさせてください。」

「貴女の使命を果たすための力になりたいのです。」

「・・・・・・・・・・・・」

リリファはしばらく考えこんだ後に答えた。

「人々を神の庭園へ導くための、伝令の手伝いをお願いしたい。」

「行商人のあなたなら、各地への情報伝達を行うことは容易いでしょう?」

「かしこまりました、全ては貴女様のために…」