BloomsOfDarknessFall

ウラファジールの洛陽

-ウラファジール城城壁付近の庭園にて

ウラファジールの国境を超えるや否や、アインの騎士団を中心にその機動力を生かしてリリファ達はその国の城壁付近まできていた。

また、その城壁の周りには色鮮やかな草木が咲き乱れる庭園が広がっており

神花の育成には最適のようだった。

「ここに神花を植えていきたい。」

リリファはアインと、はちばにに伝えた。

「良いと思うで!」

「承知した!では俺たちはその間お前を外部の攻撃から必ず護り通そう!」

早速、はちばには辺り周辺を飛び回り神花の種をばらまいていった。

また、アインは周囲にいた警備兵達を騎士団を引き連れ討伐した。

リリファは、祈るような姿勢で集中し始めた。

すると、みるみる神花は成長して辺りに咲き乱れていった。

 

リリファ達がウラファジール城城壁付近の庭園に行き着いてから4~5日が経過しようとしていた。

 

ウラファジールの戦略指揮系統から分断された軍隊は組織的に抵抗することが難しくなり

庭園に近く者達はアインの騎士団に排除されていた。

また仮に庭園内部に入りこむことができたとしても、ブービートラップ状に配置された特殊な草木や徘徊する草木のバケモノによって瞬時に侵入者の体は肉塊になっていた。

辺りに神花は咲き乱れ、徐々にウラファジール城内部や城下街を侵食していった。

 

統一歴 882年 8月

 

ウラファジール城に籠城する王族や宰相といった国の首脳部をリリファ達はその勢いよく繁茂する神花によって掌握した。

城内には、草木が生い茂り神花の甘い香が辺りに漂っていた。

首脳部の面々は全て捕らえられ草木ツタの牢獄に監禁された。

 

ウラファジールは陥落し神花が美しく咲き乱れる神の領地となった。

 

統一歴 882年 10月

同じくリデステアもウラファジール側とアシュヴァルツ側から挟撃をするような形で

首都を陥落させ神の領地となった。

-ウラファジール陥落後に

ウラファジールとリデステア占領に伴いリリファ達は、今後の戦略について談合を開き話し合っていた。

「うーむ・・・ウラファジールとリデステアを陥落させたのはええけど、やはり今後の展開をどうするかが課題やな・・・」

はちばには、腕を組み悩ましげにパタパタを耳を羽ばたかせていた。

「占領地域拡大に伴って、対面しなければならない敵国が増えたのが大きな問題だ。」

「我々は、ブルトナ、エクリデフト、アミュツィオーネ、オムテ・ムスカなどの各国に対応しなければならなくなった。現状は防衛で精一杯だろう。」

アインは戦況を分析しリリファ達に進言した。

「・・・・・・・・。」

リリファはうなづきつつ沈黙していた。

「まあ、課題は残るけれど現状は課題達成というとこやな。」

「キルエルに報告しとこうか。」

「ちょっと、にいちゃん!席を外してくれや〜!」

はちばには、アインに目配せをした。

前回キルエルの啓示を受けた際にアインとは衝突があったので配慮したのだった。

「・・・ふん。」

アインは不服そうながらも席を後にした。

「よし。それじゃキルエルとの交信を行うで!とりゃ!!」

はちばにはいつものように頭上のツタを天に向けて伸ばし、精神を集中させ始めた。

「・・・・キタ・・!!」

「・・・ウラファジール、リデステア占領共にご苦労だった。」

はちばにを通してキルエルの声が伝えられてきた。

「・・・・はい。」

「はちばにから、状況は概ね聞いている。」

「現状は防衛に徹するが良い。」

「・・・・・わかりました。」

「あとは、今後の流れを説明しておく。」

「今後は、占領国の住民達を天界へと続く庭園へと移住させておけ。」

「・・・・天界へ続く庭園へと・・・?」

「・・・・・そうだ。」

「位置をはちばにに伝えておく。」

「・・・・・・わかりました。」

「そして、人間達にはこう伝えて誘導せよ。」

 

神花に導かれし人の子達よ。

近いうちに浄化の水流が大地を洗い流すだろう。

これは神々の決定であり宣言である。

家を捨て、おまえの命を救え。

使徒の導きに従い神の庭園へと退避せよ。

救済はそこにある。

 

「・・・・・近いうちに浄化の水流が・・・・?!」

「そうだ。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

リリファはうつむいた。

「話は以上だ。お前の使命を全うせよ。」

「・・・・・・・・はい。」

神からの啓示の内容を聞き終わり、リリファはぼんやりと虚構を見つめた。

「私の使命は・・・・・。」